英語と私

今回のコラムは小宗睦美先生からのメッセージです。通訳者として、講師として国内のみならず海外でも活躍中のMutsumi先生はとっても信頼できる人柄で受講生から人気の先生です。セミナーと共に、Mutsumi先生のコラムも楽しみにしてくださいね!

英語と私 

皆さんは子供のころ、「大きくなったら何になりたい?」と聞かれてどう答えていましたか? 今も昔も「スポーツ選手」や「ケーキ屋さん」は人気があるようですが、最近では「ユーチューバー」という答えも多いようですね。

関西生まれの関西育ちの私は中学生のとき、同時通訳者として活躍中だった鳥飼玖美子さんの本を読んで触発され、「私、将来、同時通訳者になりたいねん」と母に話したことがあります。何事につけ現実的な母は「それは無理やわ。外国で長く生活したり、留学するような人しかそんな仕事はできへんよ」とあっさり娘の夢を打ち砕いたものです。

当時はそんなものかと思っていましたし、実際、関西に暮らしていた私の周りに外国人など見当たらず、英語を話す環境があるわけもなく、夢は夢のまま終わるかと思っていました。
けれども、高校生のとき、親戚と遊びに行った熊本で生まれて初めて外国人と話す機会があり(と言っても、熊本城で出会った外国人老夫婦にトイレの場所を教えてあげたという程度でしたが)、そのとき私と同じぐらい外国人慣れしていない叔母や従妹たちに「英語が話せるなんて、すごーい!」と言われたことが嬉しくて、やっぱり通訳になりたい!と思ったことを鮮明に覚えています。

あまりにも単純なきっかけでしたが、それから数十年がたち、曲がりなりにも通訳として仕事をし、講師として英語を教える立場になれたことを考えると、ちょっとした出来事や誰かに褒められた経験って案外大きな働きをするものだなと思っています。

今もまだまだ修行中、英語も日本語も知らないことはたくさんあるし、もっとうまく伝えられないかと悩む毎日です。そんな私の経験が、講座やコラムを通じて少しでも誰かの役に立ち、一歩でも前に進もうと一緒に頑張る仲間を増やすことにつながれば嬉しいです。

(Written by Mutsumi Komune)