単語の覚え方②

一年以上前のコラム(2021年2月28日)に、「単語の覚え方①」というタイトルで、単語の覚え方を自分がどう考えているかを書いていました。

「単語の覚え方①」があるなら、続編として「単語の覚え方②」も書く意気込みがあったはずなのに、その後書かずに時が流れてしまっていることに今さらながら気がつきました。

「単語の覚え方①」では、単語を覚えるときの心構え(という大層なものではありませんが)について書いたので、今回は自分が単語をどうやって覚えているかを書きたいと思います。

学生時代も単語を覚える努力はしていたと思うのですが、そのあたりの記憶はないので、すっかり大人になって通訳の勉強を始めたころからの紆余曲折のお話しです。

<その1>

通訳学校で勉強を始めたころ、とにかく覚える単語がいっぱいあるので、小さなノート(B5の半分ぐらいのサイズ)に覚えたい単語をギッシリ書いて、ノートを持ち歩けるようにしました。

そして、電車やバスに乗った時に単語ノートを何回も見直して覚えようと考えたのです。座席に座ると眠くなってしまうので、座席には座らない!

・・・が、そんな意気込みが長く続くはずはない。

おまけに、ノートを何回開いても覚えていない単語がほとんどで、小さな字でギッシリ書いているのを見るとウンザリし、一カ月ほどでおわり。腹立ちまぎれに単語ノートも捨ててしまいました。

<その2>

「ノート書き貯め」に懲りた私は、覚えたい単語を書き残していると、「覚えよう」という集中力が発揮できないと考えました。そのため、その日の単語を裏紙に書いて一日に何度も見直し、一日の終わりにビリっと単語を書いた紙を破いて捨てることにしました。

しかし、ビリっと破いて捨てるのは気持ちよかったものの、一日ですべて覚えきれているわけがない。数日して同じ単語が登場したら、「あれ?どこかで見た単語だな。何だっけ?」とまた一から辞書を引く羽目になり、これも効率が悪いと却下。

<その3>

やっぱり、単語ノートに回帰します。今度はもう少し大きいサイズで罫線も太め。単語だけではなくフレーズや文章で書き込み、その単語がどんな風に使われているかがわかるようにしました。また、見やすさ重視で、日本語を左のページに、英語を右のページと見開きで使うようにし、行間もたっぷりあけました。

そのおかげで、このノートは数年続いたのですが、やっぱりすべてに終わりはあるのですね。いつの頃からかノートを放置しだすようになり、そのうちに存在を忘れ行方不明に。

<その4>

そして現在。こちらがこの3年ほど使っている単語ノートです。

友人が「紙と箱」の専門店のオーナーさんで、そのお店で好きな表紙を選んでノートを作ってもらったのです。世界に一冊の私だけのノート。このノートに何を書こうかと思って考えた結果、単語ノートにすることに決めました。

とは言え、今回は単語だけではなく、一行日記のようなちょっとした身辺雑記も書くことに。そうすると、見返すのが苦痛ではなくなり、「そんなこともあったな」と眺めるのが楽しみに。

もちろん、覚えていない単語は相変わらずいっぱいありますし、気が付いたら何ページかごとに同じ単語を書いていることも多々。

でも、何回か登場した単語は、少なくとも「この単語ってちっとも覚えていないなあ」という程度ではあるものの、記憶に残っています。そうすればしめたもの。少なくともリスニングのときに音として聞き取ることはできますから。意味はわからなくても(笑)。

こうして、一歩ずつ、一歩ずつ、進んで行こうと自分に言い聞かせています。

あともう一回だけ単語シリーズ。「単語の覚え方③」に続きます。

(小宗 睦美)

前の記事

場の力

次の記事

試験勉強