40歳+(プラス!)からの外国語チャレンジ①

40歳+(プラス!)からの外国語チャレンジ①
~私はなぜ韓国語を学び始めたのか~

tea-of-heavenは英語研修・学習コンサルティング・セミナー・コーチングを行っています。私も英語講師ですが、この度、今までまったく学んだことのない外国語、韓国語を学び始めました。これまで英語、フランス語、中国語、イタリア語、ドイツ語を学んだ経験がある外国語オタク(ただし、少しでもモノになったのは英語とフランス語のみ)が、なぜ懲りずに韓国語を学び始めたのかについてお話したいと思います。

① 40歳を超えて外国語を習得するのは不可能なのか?
英語を学んでいる多くの生徒さんが、「もう40歳なのに今から英語ができるでしょうか」と心配そうに話してくださいます。実は、外国語習得理論の立場から言うと、外国語をネイティブレベルで習得するには、だいたい15歳より前に学習を始めなければいけない、ということになっています(ネイティブレベルを目指さなければいけないか、はまた別のお話)。これが本当なら、「すみません、私もう16歳なんですが英語ができるでしょうか」とか「私、昨日23歳になってしまいました。この歳で英語をやるなんて恥ずかしいですよね」とおっしゃる生徒さんがいても不思議はないはずですが、なぜかこういうことはないのですね。年齢のことを心配されるのは40歳以上の方が断然多いのです。外国語を学ぶにあたってのこの「40歳の壁」とは何か、をずっと考えてきました。私もこの度めでたく40歳+となりましたので(随分前になっていたじゃないかという説もありますが)、ここらへんで新しい外国語の習得を目指して、「40歳の壁」があるのか無いのか、あるとすればそれが何なのかを検証し、それをぶち破りたいという気分になったのです。

② 外国語ができない苦しみとは何なのか?
英語を読もうとして知らない単語が山ほどあるとき、聞こうとして単語がすべて繋がって聞こえるとき、話そうとして言いたいことが何ひとつ言えないとき、書こうとして辞書をひきまくらなければいけないとき…とてもつらいですよね。私もこういう気持ちになったことが何度もありました。でも、英語講師になった今、英語でこういう思いをすることはほとんどありません。もちろん、今でも知らない単語はあって、英字新聞を読んで語彙を増やす努力をしたり、長ったらしい英文を見て読むのが面倒だと思ったり、そういうことはあります。けれども、英語を学び始めたときのように、話し相手に人格を否定されているように感じたり、自分で自分が嫌になったり、ということはさすがにもうないんです。ですが、講師として生徒さんのつらい気持ちを知っていることはとても大切です。そうでなければ、tea-of-heavenが目指している、生徒さんひとりひとりに効果的な学習方法を提案することはできませんし、ひどいときには無理な学習方法を強要して英語を嫌いにさせてしまったりします。ですからもう一度、外国語ができないつらさを感じてみたいと思いました。新しい外国語であれば何を学んでも良かったのですが、アルファベットに近い文字で書ける外国語だと英語と似ていてなんとなく知っている気分になってしまうかもしれない、と思い、模様にしか見えないハングルが書き言葉である韓国語を学ぶことにしました。果たしてその結果は…!いや、つらいです。本当に、つらい。今はまだ話すことも聞くことも書くこともできないのですが、ハングルに慣れていないため辞書を使って読むことさえできないつらさといったら強烈です。教科書をぱらっと開いたときに、一語も解読できない絶望感。英語に苦労されている生徒さんのつらさどころか、昔々自分がまったく英語ができなかったときの気持ちすら思い出して涙にくれる毎日です。こういうとき、先生が優しく教えてくれて、励ましてくれたりすると本当に嬉しいものですね。私も優しい先生にならなければ!(嘘でーす。)

③ 外国語は学べば学ぶほど、習得するのが楽になるのか?
外国語習得理論では、外国語はひとつよりふたつ、みっつと学んでいくにつれて習得が楽になるという考え方があります。うーん、これは…どうなんでしょうか。英語を学んでからフランス語を学んだとき、英語とフランス語は似ているところも多い言語ですが、特にフランス語の習得が楽だとは思いませんでした。韓国語は日本語に似ていると言われていますが、楽に習得できるのかどうか、これも自分の体を使って実験してみたいと思っています。

以上、私が40歳+になって、新しい外国語を学び始めた理由についてお話してみました。英語講師のくせに、tea-of-heavenのウェブサイトでの最初のご挨拶が韓国語について、になってしまって不思議な気持ちですが、新しい外国語を学ぶ経験は英語を教えるときにも役に立つと思います。これからも時々、韓国語を学んでどんな苦労をしているかについてお話させていただこうと思います。そしてもし、私がいつか韓国語を習得できたらそのときは、年齢を言い訳にしながら英語を学んでいる生徒さんのお尻もバシバシ叩いていきますよ。

(高橋良子)

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