単語の覚え方①

単語の覚え方①

英語の学習で何と言っても重要なのは語彙力でしょうが、皆さんはどうやって単語を覚えていますか?

私もこれまでさんざん単語が覚えられない、あるいはすぐ忘れてしまうことに悩んできましたし、今もどうすればよいのか思案中ですが、そんな中で試していること、気が付いたことを少し書いてみたいと思います。

単語を覚えると言っても、日本語ですらなかなか新語は覚えられないし、知っている単語でもパッと出てこない、生まれつき記憶力が悪いのか、それとも年齢のせいなのかと思うぐらいですから、それが普段使わない外国語であればなおさら大変です。

使わないものは忘れてしまうというのは、漢字がすっかり書けなくなってしまっていることで実証済み。スマホやパソコンを使っていると自分で漢字を書くことがめっきり減っていて、いざ書こうとなるとまったく思い出せないということが多々あります。

そう考えると、英語の単語だけを取り上げて「覚えられない」「すぐに忘れてしまう」と悩むのも不思議な気がしますが、そうは言っても英語の単語が活躍するのは「ここ一番」というときの、試験だったり仕事だったりという特別なシチュエーションが多いので、覚えられないことがさらに「困ったこと」として記憶に刻まれてしまっています。

通訳の仕事で必要な単語は、あとで見直したり、新たな語彙を追加したりする必要があるのでエクセルに入力しています。本来は通訳の仕事に入る前に関連するすべての単語が頭の中に入っていなければなりませんが、そうは言っても技術用語などは浸透しきっていないこともあるので、通訳の途中で見つけやすいようにアルファベットや五十音順で並べ替えられるエクセルを重宝しています。

ただ、私は本来アナログな人間なので、「手を動かして覚える」ことが多く、そのために、普段の勉強に出てきて覚えたい単語は、ノートにドンドン書き出していきます。
そう考えると、媒体はスマホ、PC、あるいは紙と何であってもよいのでしょう。ただ、大切なのは、最初から完璧に覚えることを自分に期待しない、その代わりに覚えたい単語を何回も見返す、つまりできるだけ頻繁に単語と出会えるように努力することではないかと考えています。

忘れてしまうことを前提に、最初から完璧に覚えることを期待しなければ、忘れてしまう自分を責めることはないでしょうし、罪悪感を感じてモチベーションが下がることもないように思うのです。

ただ、それだけだと、「忘れてしまったきり」状態になってしまうので、もう一度その単語と出会い直すところに力を入れてみる、こうして二回、三回と出会いが増えれば、単なる顔見知りが知人になり、そのうち友人に格上げになり、友人から恋人や家族に発展する。単語の場合は恋人や家族が何人いても構わないでしょうから(笑)、単語の中で恋人や家族に近い存在をドンドン増やしていけばよいと考えています。

と言うことで、集中的に覚えねばならない通訳の仕事の前は、私はエクセルで作った単語リストを家の中のあちこちに置いて、何度も目に入るようにしています。皆さんも学校の受験前には同じようなことをされた経験があるのではないでしょうか?

いったん目の前の仕事が終わると、驚くほどの勢いですべての単語が頭から消え去ってしまい、あの努力は何だったのだろうと思ったりもしますが、でも一方で実は決してゼロに戻ることはないとも感じています。特定の仕事で必要だった単語を、その後も継続的にサッと引き出して使うことは無理でしょうが、どこかで出会ったときに「見たことがある?」程度には記憶に残っていて、最初に出会ったときよりははるかにたぐり寄せやすい気がしています。

単語を身に着けるには一歩、一歩、地道な努力をするしかない、一歩進んで二歩戻ると困りますが、二歩進んで一歩戻るぐらいの気持ちでゆっくり歩み続けるのが一番の成功のカギだと、私は信じています。

(小宗睦美)